バルサアカデミー奈良校
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『U-10 神戸遠征~ FESTA DI CONCLUSIVO~』

12月17日・18日の2日間、バルサアカデミー奈良校/三重サテライト校に所属するU10年代の選手たちが兵庫県への遠征を行いました。今回の遠征は、ラウルコーチが監督を務め、トムコーチがサポートを行いました。

2日間で10試合、普段は異なる会場(生駒・田原本・三重)でトレーニングする選手たちが選抜チームとして、ピッチ内外で共に過ごしたことで、選手たちの成長にとって、とても素晴らしい経験となったと思います。

まずは、遠征を通じてのコミュニケーションの部分では、初めて会う選手もいる中で、いろいろな選手と話をしたりすることで、良い関係を築いてくれていました。また、宿泊先やサポートしていただいた関係スタッフの皆さんに対しても、感謝とリスペクトの気持ちを持ち、良い振る舞いをしてくれていました。

今回の遠征は、U10とU11が同じ大会(カテゴリーは別)に参加したため、宿泊先の食事会場や各選手の部屋で、年代をこえた交流も見られました。

<1日目レポート>

初日は、雨が降ったことで気温が下がり、とても厳しい環境でのプレーになりました。

その中でも、選手たちは、ピッチへの適応、風への適応など、環境にうまく適応しながら、よくプレーをしてくれていました。一方で、それぞれのプレーを理解することには、少し苦労していたようでしたが、少しずつお互いの良さを引き出すプレーも見られるようになっていました。

サッカーの試合では、全く同じ状況という場面はなく、相手チームが変われば、それを分析して、自分たちが適応する必要があります。相手を観察し、どういうプレーを選択すれば良いか、試行錯誤しながら、一人一人が考えてプレーしてくれていました。特に苦労した部分は、「スペースの管理」の部分で、レベルの高い相手に対して、どのようにしてスペースを創るか、時には、相手のマンツーマンの守備に対して、どうすれば、自分たちがボールを保持できるか、より丁寧にプレーする必要がありました。相手の素晴らしい守備によって、ボールを奪われて失点することもありましたが、ラウルコーチからは、「ミスをして失点したことは重要なことではない、サッカーでは、常にミスが起こる可能性があり、自分たちがそのことを理解し、チーム全員でどうすればミスを少なくできるかを考えてプレーすることが大切」という話がありました。

また、バルサアカデミーの練習でもおこなっていることの一つに、「優位性の管理」というものがあり、試合の中では、どこに優位な状況があるかを見つけ、どうすればその優位性を使えるかを考える必要があります。選手たちは、試合の中で、相手の前線からの守備に対して、相手のDFライン付近での数的優位やポジションの優位を見つけ、うまく相手の守備を突破し、たくさんのチャンス創り出し、ゴールを決めることができていました。

1日目の最後の試合では、相手チームが自陣でブロックを作っていたのに対して、前半は相手コートに入ってから、うまくボールを前に運ぶことができませんでした。しかし、後半は、ボールの循環スピードを上げることで、相手を引きつけ、何度かチャンスを作ることができ、前半0-2の状況から、もう少しで追いつくところまで修正することができていました。

試合後は、宿泊先に移動し、入浴、部屋の片付けをして、ラウルコーチからのフィードバック、バルサの映像を見ながらの講義、そして、全員でバルサのスタイルについてのミーティングを行いました。ミーティング後には「ゲラ・デ・ボラス」というスペインの遊びを行い、チームでプレーすることの重要性を感じてもらいました。そのゲームでは、個人個人が生み出す力よりも、強い絆でつながったグループが協力して生み出す力のほうが、より大きな成果を得ることができるということを学びました。

<2日目レポート>

ピッチ外の部分では、遠征期間中、感謝の気持ちを持つことを大切に行動してもらいました。

宿泊先でも、選手たちには、食事を作ってくれている方への感謝の気持ちをもって、朝ごはんを食べるように伝えました。当たり前のように食事がある環境、自分で用意するとなれば大変なこと、小さなことかもしれませんが、常に感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

2日目は、天候にも恵まれ、とても素晴らしい環境でプレーすることができました。1日目に経験したことを、夜のミーティングで整理したことで、多くの試合でゴールを大切にし、「意図的な」プレーで、相手チームを広げ、自分たちにとって優位な状況を創り出すことができるようになっていました。

また、1日目のピッチ内外での行動を共にしたことで、お互いのコミュニケーションが増え、プレー中に関して、1日目よりも良い連携ができていました。

選手たちは、すべての試合において、開始数分は、相手チームがどのようにプレーするか、そしてそれをどのようにすれば、自分たちにとって良い状況にできるかを考えるようになっていました。お互いの理解が高まるにつれて、相手のプレーに対しての適応能力も高まり、次のように対応したら良いかを理解してプレーしているように思えました。状況によって、自分たちのプレーの仕方を変えながら、サイドでの優位性を創ったり、中央で優位性を創ったり、相手がボールを奪えず、困っているような場面をつくることができるようになってきていました。

ラウルコーチからは、「選手たちのプレーにはとても満足している。ただ、それは2日間で7勝3敗という結果ではなく、“勝利することよりも、選手たちが成長してくれたこと。困難な状況に置かれた時にどのように考え、解決していくかがとても大切。”常に状況が変化する試合の中で、さまざまな経験をしてくれたこと、今回の遠征ではとても多くのことを学んでくれたと思います。」という言葉がありました。2日間を通して、全選手がゴールキーパーを含めたさまざまなポジションでプレーしてくれたことも、とても良い経験になったと思います。

会場の準備や大会に招待してくださったFCフレスカ神戸関係者の皆様、誠にありがとうございました。また、2日間、遠方まで応援に駆けつけてくださり、サポートしてくださった保護者の皆様に感謝したいと思います。そして、皆様が選手たちのプレーを楽しんでいただけたことを願っております。また、こういった機会があれば、ぜひ参加していただければと思います。